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約束
2007-03-28 Wed 23:09
託した思い


知り尽くした溪 大切な場所を今日 釣友に託した
 
  弥生 下旬 快晴  
   最後にリリースしたタナビラを 僕は一生忘れることは無いと思う

木曽最終釣行   そして たぶんこれが  最後の日記

    僕に善意をくれた 大切な人達の行く道が
   たくさんの幸運と笑顔に溢れている事を願って


       更けていく夜に あたたかな南風が吹き始めています



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氷溪
2007-03-14 Wed 22:12
氷枝
     抜けるような青空に
      全てを凍らせるような冷気

         淵の陽だまりに漂う溪魚も
           今日は僕と遊ぶ気は無いらしい。。。

    
     弥生 中旬 快晴

       文字通り 薄氷を膝で割りながら溪を渡る
          白い砂川の釣りは夏でもタイトだけれど ここまで来ると尚更だ


氷台

氷滝
 流れを止めればすぐに凍りつくような氷溪

  カラダを洗う水と風に ふと目的を忘れてしまう僕は
   釣り人としては 失格なのかもしれません



空穴   
   次第に光が薄くなる溪奥に踏み入ると
    シューズのフェルトまで凍って流石に遡行は厳しくなる
       そう言えば、車を停めたゲートに
        “ 冬季通行禁止 ” ってあったけど
       意外とここも そうだったのかな




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太陽の近く
2007-03-07 Wed 21:44
雫   時計を忘れたから、正確な時間がわからない
   林道を登り始めて、この辺りだと40分ぐらい?
   いや、寄り道したから1時間ぐらいかな
     喉が渇いたけど  水筒も、忘れた。。。
   ふと目をやると、切り立った岩盤から零れ落ちる水
      ・・・まあ いいか  
    時間も水も、ここには 十分にあるから


蝦夷 チャートで  弥生 初旬  快晴 時々 粉雪
 
      ラインの先に結んだのは、DROPPEN 
        涙型のスピナーを 奥溪に落として歩く
     また ここに立つ事が出来ただけで
          指程の岩魚が、とても愛しく感じる

              そこには 手を伸ばせば届きそうな太陽
            流れに帰る彼らに 「 さよなら 」 と呟く僕は
                  大丈夫 多分 笑っていました

眩暈





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Revenge
2006-12-29 Fri 22:02
空鏡

まるで白夜 僕らは キャストし続ける
 そこに魚がいるという確信は無くとも
 物言わぬ水面に心折れそうになっても
 その火は消さない

 傍から見たら苦行なのかもしれないね
 でもそんな時、ここにそんな思いは無いのかもしれないよ
 放物線を描いたラインが美しく輝くのに見惚れてる時もある
 山々の稜線、移り変わる季節の色を追いかけている時もある
 今や、そして過去を、深く見つめる時間も存在して
 そして時に そう そんな感覚すらない『空白』が訪れる

 僕は そんな場所に、立ってるんだ

 そこで“ きっかけ ” が訪れる
 風が起こした漣 雲間から射した陽光 水面に落ちた枯葉
 雨が止んだ刹那 鳥の囀り 飛んできた草花の香りまでもに
 それを感じて、その瞬間 何かが変わる期待を込め
 僕は投げるのをを止めない


答え
何十・何百・何千・何万・・・
幼い頃から投げ続けてきた
諦めが悪いのは、遺伝だからしょうがない
そしていつかは必ず報われる事を知ってる
だからまた 繰り返すんだよ




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誤算
2006-12-13 Wed 19:34
湖面

霞   凍える寒さ   買い忘れたホットコーヒー
       家に置いてきたニットキャップ   突然の雨雲
              そして510のショートロッド
  
  初めての場所で目にしたものは、たった一度のチェイスのみ
   だけど僕の、いや僕らの “ きっかけ ” はそれで十分だ
                   さぁて 始めますか
 

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追想 夏の渓・雨夜
2006-11-06 Mon 00:11
雨足は収まる気配を見せない
次第にまばらになる民家を横目に、県道を左に折れ、いよいよ目指す山道に入った。
深く暗い世界が始まる
ハイビームにしたヘッドライトが闇に吸い込まれていく。昨年の台風の影響だろうか、時折照らされる山肌は所々が剥き出しになっていて、車道の落石が異常に多い。
しばらくすると一つ目のダムをパスし、ここからは舗装も無くなる。
慎重に進むか?それともここで車中泊か?不慣れな道だ、後者の選択が妥当だろう。
すぐに道路脇が広くなった場所を見つけた。車が2・3台止まる広さはありそうだ。転回スペース?
いや、そんな事はどうだっていい、今この雨で車を走らせるのは愚策だろう。
僕はそこに車をバックで入れ、フゥッと息を吐く。
後部座席のトランクケースからビールを取り出し、地図を広げた。
「Corinne Bailey Rae」の溜息のような歌声を聞きながら、時間がゆっくりと流れる。
時刻は深夜1時を過ぎたところか、あと3時間ぐらいは大丈夫だな。
シートを倒して目を瞑る、心地良い酔いで、すぐに眠りにつけるはずだった。
だけど、何かおかしい。なんでこんなに寒いんだ?
違う、これは神経が逆立つ感覚
ここにいたくないのか? そうじゃない、ここにいちゃいけないんだ 
シートを跳ね上げギアを入れる。一度戻ろうという思考が感情に追いついた時にはもう車を走らせていた。

県道に差し掛かる頃には雨も弱まってきた。
道路脇の自販機前に車を停め、強く握っていたハンドルから指を剥がす。ひとりの暗闇なんて何度も経験してきたはずなのに、今、辛うじて僕の平常心を繋いでいるのは、この頼りない灯り。
寒さはいつの間にか去り、眠りはすぐにやってきた。


走り抜けたダンプの煽りが車を揺らす
雨は完全に上がったようだ
車を降りて硬くなった体を伸ばし、熱いコーヒーを啜る。
大丈夫 落ち着いている。
夜明けまであと1時間程、今出発すれば丁度良い時間に入渓できそうだな。
僕の悪い癖だ。こんな場所では、感受性だとか、想像力とか、そんな類のものを知らずに全開にしてしまう。そう、露出を絞ればいいだけだ、そうすればきっとうまくいく。

余計な事は考えるな 今度は、止まらずに行こう。

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追想 夏の渓・予兆
2006-11-04 Sat 00:43
焼け付く陽射し 気だるい午後 
僕は夏休みの帰省を利用して、隣県の渓へ車を飛ばす。
スピーカーから流れる「TRENCHTOWN ROCK」
心地良いリズムと窓から吹き込む風が、逸る熱を溶かしてくれる。
もちろんこの時点で僕は、この釣行の結末を知る由も無いんだけど。

高速を降りて混雑する市内を抜け、郊外へ向かう
遠い昔に一度だけ行った事のあるフライショップへ
そう、僕は10年程前にこの街に住んでいて、今まさに時間を巻き戻している感覚に陥っていた。
それはほんの半年間の事だったけど、この街での生活が僕の人生感を大きく変えたのも事実だ。
街は昔のまま。だけど失ってしまった人々との接点が、時の流れを痛いほどに感じさせる。
郊外の住宅街の中にある店も、あの時のままだった。
最初は怪訝そうにしていた店主も、要件を説明すると快く入漁権を譲ってくれ、しばし釣り談義。
ただひとつ「単独釣行」という点については最後まで顔を顰めていた。聞くと、僕が目星を付けた渓は、事故の絶えない場所らしい。先日も知人が渓奥で骨折し、捜索の末に辛うじて一命を取り留めた件があり、店主が行き先を聞いていなかったらどうなっていたか・・・
“僕の行方はあなたが知ってるよ”と半ば笑い話にして、僕は店を後にした。

夕陽を河口に見ながら大河に掛かる橋を渡る。
少し早めの夕食をとる為、繁華街の料理屋に入った。
オーダーは地鶏の炭火焼にめひかりの唐揚げ、そして焼酎。
次第に増えていく常連客の方言がいやに懐かしい。同じ空間に、僕だけが隔絶されている気がする。今の僕には「異邦人」って言葉がぴったりなんだろうな。
パーキングに停めた車で暫く酔いを醒ますことにしたが、流石に疲れていたんだろう、そのまま眠りに落ちてしまった。

タンタンとフロントガラスを叩く雨音で目が覚める。すぐに止むかと思っていたが、だんだんと雨足は強まってきた。天気予報は晴れ続きだったはず、って事は、恵みの雨だ。朝方までに止んでくれればいい。
急いでエンジンを掛け、目的地へ向かう。そこはダムを2つ程越えた場所、
先行者がいれば容易く潰れる渓相。今夜中に入渓点まで行かなければ。
ここにきてまた逸りだした気持ちに合わせるかのように、ワイパーが激しく雨を弾いている。

それは予兆。 闇と雨は、全ての事象を覆い隠す事を、僕は、忘れていた。

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笑顔
2006-10-10 Tue 10:55
渓

  僕は一体 どこへ向かおうとしていたんだろう
   危うく僕は 大事なものを忘れるところだった

         魚の価値は誰が決める?
         川への思いは誰が量る?
         そして技術の優劣は?

岩魚僕の好きな釣りは、そんな小さなものじゃなかった筈だ
僕の探してた場所は、そんな狭い所じゃなかった筈だ

今日、それを知ってる人達と同じ時間を共有できた
他人の釣果を心から喜び、競い、理解しようとする
打算無く、ただ純粋に認め合える

 親父 ここにもそんな人達がいるよ

   僕は最近 彼らのように笑えてたかな


空     神無月 初旬 快晴
   その川は笑い声に溢れ 空はどこまでも蒼く続いていた

       彼らの笑顔と語らぬ優しさに ただ 感謝を


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