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2006-11-18 Sat 23:05
「紅葉ってのはなにも、みんな一緒に紅くなるとは限んないんだねぇ」隣のおじいちゃんが、何気に深いことを言う 檜の湯船から、高い空を見上げて、いろーんな事を考えてます 自分が出来るからって、みんなが出来るとは限んないんだよねぇ 自分に出来ないことを、あっさりやってのける人も、いっぱいいんだよねぇ |
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2006-11-06 Mon 00:11
雨足は収まる気配を見せない
次第にまばらになる民家を横目に、県道を左に折れ、いよいよ目指す山道に入った。 深く暗い世界が始まる ハイビームにしたヘッドライトが闇に吸い込まれていく。昨年の台風の影響だろうか、時折照らされる山肌は所々が剥き出しになっていて、車道の落石が異常に多い。 しばらくすると一つ目のダムをパスし、ここからは舗装も無くなる。 慎重に進むか?それともここで車中泊か?不慣れな道だ、後者の選択が妥当だろう。 すぐに道路脇が広くなった場所を見つけた。車が2・3台止まる広さはありそうだ。転回スペース? いや、そんな事はどうだっていい、今この雨で車を走らせるのは愚策だろう。 僕はそこに車をバックで入れ、フゥッと息を吐く。 後部座席のトランクケースからビールを取り出し、地図を広げた。 「Corinne Bailey Rae」の溜息のような歌声を聞きながら、時間がゆっくりと流れる。 時刻は深夜1時を過ぎたところか、あと3時間ぐらいは大丈夫だな。 シートを倒して目を瞑る、心地良い酔いで、すぐに眠りにつけるはずだった。 だけど、何かおかしい。なんでこんなに寒いんだ? 違う、これは神経が逆立つ感覚 ここにいたくないのか? そうじゃない、ここにいちゃいけないんだ シートを跳ね上げギアを入れる。一度戻ろうという思考が感情に追いついた時にはもう車を走らせていた。 県道に差し掛かる頃には雨も弱まってきた。 道路脇の自販機前に車を停め、強く握っていたハンドルから指を剥がす。ひとりの暗闇なんて何度も経験してきたはずなのに、今、辛うじて僕の平常心を繋いでいるのは、この頼りない灯り。 寒さはいつの間にか去り、眠りはすぐにやってきた。 走り抜けたダンプの煽りが車を揺らす 雨は完全に上がったようだ 車を降りて硬くなった体を伸ばし、熱いコーヒーを啜る。 大丈夫 落ち着いている。 夜明けまであと1時間程、今出発すれば丁度良い時間に入渓できそうだな。 僕の悪い癖だ。こんな場所では、感受性だとか、想像力とか、そんな類のものを知らずに全開にしてしまう。そう、露出を絞ればいいだけだ、そうすればきっとうまくいく。 余計な事は考えるな 今度は、止まらずに行こう。 |
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2006-11-04 Sat 00:43
焼け付く陽射し 気だるい午後
僕は夏休みの帰省を利用して、隣県の渓へ車を飛ばす。 スピーカーから流れる「TRENCHTOWN ROCK」 心地良いリズムと窓から吹き込む風が、逸る熱を溶かしてくれる。 もちろんこの時点で僕は、この釣行の結末を知る由も無いんだけど。 高速を降りて混雑する市内を抜け、郊外へ向かう 遠い昔に一度だけ行った事のあるフライショップへ そう、僕は10年程前にこの街に住んでいて、今まさに時間を巻き戻している感覚に陥っていた。 それはほんの半年間の事だったけど、この街での生活が僕の人生感を大きく変えたのも事実だ。 街は昔のまま。だけど失ってしまった人々との接点が、時の流れを痛いほどに感じさせる。 郊外の住宅街の中にある店も、あの時のままだった。 最初は怪訝そうにしていた店主も、要件を説明すると快く入漁権を譲ってくれ、しばし釣り談義。 ただひとつ「単独釣行」という点については最後まで顔を顰めていた。聞くと、僕が目星を付けた渓は、事故の絶えない場所らしい。先日も知人が渓奥で骨折し、捜索の末に辛うじて一命を取り留めた件があり、店主が行き先を聞いていなかったらどうなっていたか・・・ “僕の行方はあなたが知ってるよ”と半ば笑い話にして、僕は店を後にした。 夕陽を河口に見ながら大河に掛かる橋を渡る。 少し早めの夕食をとる為、繁華街の料理屋に入った。 オーダーは地鶏の炭火焼にめひかりの唐揚げ、そして焼酎。 次第に増えていく常連客の方言がいやに懐かしい。同じ空間に、僕だけが隔絶されている気がする。今の僕には「異邦人」って言葉がぴったりなんだろうな。 パーキングに停めた車で暫く酔いを醒ますことにしたが、流石に疲れていたんだろう、そのまま眠りに落ちてしまった。 タンタンとフロントガラスを叩く雨音で目が覚める。すぐに止むかと思っていたが、だんだんと雨足は強まってきた。天気予報は晴れ続きだったはず、って事は、恵みの雨だ。朝方までに止んでくれればいい。 急いでエンジンを掛け、目的地へ向かう。そこはダムを2つ程越えた場所、 先行者がいれば容易く潰れる渓相。今夜中に入渓点まで行かなければ。 ここにきてまた逸りだした気持ちに合わせるかのように、ワイパーが激しく雨を弾いている。 それは予兆。 闇と雨は、全ての事象を覆い隠す事を、僕は、忘れていた。 |
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